輪臨床研究情報センター

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市民向け医療シンポジウム
市民向け医療シンポジウム
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ごあいさつ

1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災で神戸市は大きな被害をうけました。その震災からの復興事業として始まった「神戸医療産業都市構想」は、取り組み開始から2017年10月で20年目に入ります。日本最大級のバイオメディカルクラスターとして、理化学研究所をはじめとする研究機関や、高度専門病院群、多数の医療関連企業・団体が集積し、医薬品、医療機器、再生医療、ヘルスケアなどのさまざまな分野で基礎研究から臨床応用、産業化(実用化・商品化・販路拡大)に取り組んでいます。
本シンポジウムは、神戸医療産業都市の中核施設であり、もうすぐ設立から15年を迎える先端医療振興財団 臨床研究情報センター(TRI)が、これまでに支援してきた再生医療開発の中から保険医療として近々お届けできるであろう治療法について、各分野の先生方にご講演いただきます。
現役で、はつらつと生きるために必要である、「聞くこと」「話すこと」「見ること」の再生、そして寝たきりゼロ・要介護ゼロを実現する「脳神経・脊髄再生」「下肢の血管再生」「軟骨の再生」について、実用化の現状を市民の皆様にお伝えし、そして共に考える機会にしたいと思います。
100 歳現役社会に向けて大きな一歩となるシンポジウムです。
みなさまのご参加を心よりお待ちしております。

(公財)先端医療振興財団
理事長 本庶 佑
(公財)先端医療振興財団 臨床研究情報センター
センター長 福島 雅典

寝たきりゼロ・・・100歳現役さ社会を生きるアジェンダ

プログラム

神戸発 100歳現役社会を生きるアジェンダ

神戸医療産業都市20周年

臨床研究情報センター(TRI)
設立15周年
プレイベント

2017/10/7 土 13:30~16:00 神戸ポートピアホテル ポートピアホール
13:30~ 開会の挨拶

玉田 敏郎 (神戸市 副市長)

本庶 佑  (先端医療振興財団 理事長)

13:40~ セッション1

「聞く、話す、見る、を再生する」

座長: 空地 顕一 (兵庫県医師会 会長)

  • 聞こえを取り戻す ~難聴治療の最前線・鼓膜再生医療~
  • 金丸 眞一 (北野病院)
  • 声のつまり、ふるえ、途切れを改善する治療法の開発
  • 讃岐 徹治 (熊本大学)
  • 角膜再生による眼疾患治療 ~光を取り戻すためのチャレンジ~
  • 外園 千恵 (京都府立医科大学)
  • Q&A

休憩

14:45~ セッション2

「寝たきりゼロ社会への道」

座長: 置塩 隆 (神戸市医師会 会長)

  • 脳梗塞と脊髄損傷の再生医療 ~医師主導治験による実用化~
  • 佐々木 祐典 (札幌医科大学)
  • 足の血管再生治療:下肢切断を回避し、自分の足で歩ける毎日を!
  • 川本 篤彦
    (先端医療振興財団 臨床研究情報センター〈TRI〉)
  • 骨と関節の再生医療
  • 黒田 良祐 (神戸大学)
  • Q&A
15:45~ 閉会の挨拶

福島 雅典
(先端医療振興財団 臨床研究情報センター〈TRI〉 センター長)

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演者

MESSAGE01 金丸 眞一 MESSAGE01 金丸 眞一

Profile

兵庫県生まれ。京都大学医学部卒業。振り返ると、関西人の理想とする生き方「京都で学び、大阪で働き、神戸に住まう」になっていました。そろそろ「いかに死ぬか」を考えてもいい年齢になったにもかかわらず、邪念ばかりにとらわれています。

金丸 眞一
北野病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
主任部長

聞こえを取り戻す ~難聴治療の最前線・鼓膜再生医療~

鼓膜は、やぶれても自然に治ることが多い組織の一つです。つまりそれだけ再生力が強いと言えます。しかし、孔が大きかったり周りの環境が悪かったりすると、再生せずに孔が残ります。鼓膜再生医療は、この旺盛な再生力を利用しています。鼓膜の穴の周囲を傷つけ再生の源になる細胞の増殖を促します。新しく生れ出た細胞をしっかり伸ばしてやるために栄養(成長因子)を付けた足場(ゼラチンスポンジ)で鼓膜の穴を塞ぎます。その上を医療用接着剤でカバーし再生環境を整えます。通常は3週間で再生し、正常な鼓膜と理想的聴力回復が得られます。わずか20分ほどの施術でどこも切らず、傷跡もいっさいない、まさに夢の治療です。

鼓膜再生の手順 鼓膜再生の手順
MESSAGE02 讃岐 徹治 MESSAGE02 讃岐 徹治

Profile

1995年、愛媛大学医学部医学科を卒業後、愛媛大学医学部耳鼻咽喉科に入局しました。2003年より京都大学名誉教授、一色信彦先生のもとで、音声外科手術を広く学び、2006年より熊本大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科にて発声障害の研究と臨床に従事しています。

讃岐 徹治
熊本大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
講師

声のつまり、ふるえ、途切れを改善する治療法の開発

痙攣性発声障害は、「局所性ジストニア」の一種と考えられ、喉頭筋の痙攣様異常運動により発声中の声の詰まりや途切れ,震えをきたす原因不明の難治性疾患です。現在のところ本症に対する根本的な治療はありません。チタンブリッジを用いた甲状軟骨形成術2型は、発声時に内喉頭筋が不随意的、断続的に強く内転することで声門が過閉鎖し症状が発現することに着目し、発声時に声門が強く内転しても声帯が強く閉まらないように甲状軟骨を正中に切開し、両側甲状披裂筋の付着部を甲状軟骨ごと外側に広げて固定する術式です(図)。その後の臨床経験から有効性が報告され、手術成功に必要な新規医療機器チタンブリッジの薬事承認と治療法の普及を目的に開発を行っています。

治療コンセプト 治療コンセプト
MESSAGE03 外園 千恵 MESSAGE03 外園 千恵

Profile

大阪に生まれ、奈良で育ち、京都府立医科大学を卒業しました。眼の表面(角膜、結膜)に生じる病気、なかでも重症薬疹による眼障害、角膜潰瘍や感染症、先天疾患の診療等を専門としております。難治性疾患の治療開発の一環として角膜再生医療に携わってきました。ベランダ園芸と、のんびり寺社巡りやハイキングをするのが好きです。

外園 千恵
京都府立医科大学 眼科学教室
教授

角膜再生による眼疾患治療 ~光を取り戻すためのチャレンジ~

ものが「見える」ためには、光の入り口である角膜(くろめ)が透明でなければなりません。化学薬品が眼に入ったり(化学外傷)、難病のひとつであるスティーヴンス・ジョンソン症候群(SJS)に罹患すると、角膜上皮の幹細胞がなくなって結膜(しろめ)の上皮が角膜を覆って著しい視力障害をきたします。これまで良い治療法がありませんでしたが、2002年に「培養自家口腔粘膜上皮シート移植」に成功し、混濁した上皮を患者さん自身の細胞で作った粘膜上皮に入れ替えることで視力改善が可能となりました。またSJS用の医療機器として「輪部支持型ハードコンタクトレンズ」を開発し、平成28年2月に薬事承認を得ました。培養自家口腔粘膜上皮シート移植と輪部支持型ハードコンタクトレンズを組み合わせれば、相乗的に視力改善の効果を得ることができます。現在は「培養自家口腔粘膜上皮シート移植」の薬事申請を目指しています。

治療コンセプト 治療コンセプト
MESSAGE04 佐々木 祐典 MESSAGE04 佐々木 祐典

Profile

1996年、札幌医科大学医学部卒業。同大学脳神経外科及び関連施設、Yale大学医学部 神経科学・神経再生研究所を経て、2012年札幌医科大学医学部附属フロンティア医学研究所 神経再生医療学部門に勤務。

佐々木 祐典
札幌医科大学 医学部 附属フロンティア医学研究所
神経再生医療学部門 講師

脳梗塞と脊髄損傷の再生医療 ~医師主導治験による実用化~

我々は1990年代から、骨髄由来の間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell: MSC)の経静脈的移植による治療効果を、脊髄損傷を含む神経疾患に対して検証してきました。これまでの良好な結果を受けて、現在、脳梗塞と脊髄損傷に対し、静脈投与による自己培養MSCを、薬機法下で再生医療等製品として薬事承認を受けることを目指しています。特に、2016年2月には厚生労働省の再生医療等製品の先駆け審査指定制度の対象品目の指定を受け、実用化への期待が高まっています。
http://web.sapmed.ac.jp/saisei/index.php

自家骨髄間葉系幹細胞 (MSC) による治療
自家骨髄間葉系幹細胞 (MSC) による治療
MESSAGE05 川本 篤彦 MESSAGE05 川本 篤彦

Profile

1987年に奈良県立医科大学を卒業し、循環器内科の道に進みました。血管の再生治療に興味を持ち、1999年から4年間ボストンのタフツ大学へ留学し、帰国後、先端医療センター病院で足の血管再生治療に取り組んでいます。趣味は、ジョギング、山歩き、スポーツ観戦、読書などです。

川本 篤彦
先端医療振興財団 臨床研究情報センター 副センター長
兼 先端医療センター 再生治療ユニット長、血管再生科部長

足の血管再生治療:下肢切断を回避し、自分の足で歩ける毎日を!

骨髄の中には血管の幹細胞がたくさんあります。私たちが実施している足の血管再生治療では、足に重症の血流障害のある患者さんに対して、血管の幹細胞を骨髄から血液の中へ引き出す効果のあるお薬を5日間皮下注射してから、血液中の幹細胞を体外に取り出します。そして、純粋な幹細胞だけを患者さんの足の筋肉に注射して、足の血流障害を改善させます。これまでの臨床研究・治験で、足の切断を予防し、自分の足で歩き続けることができることを多くの患者さんで確かめてきました。これまでの成果をもとに、足の血管再生治療は、あと一歩で保険診療に辿り着けるところまできています。

虚血部位への血管幹細胞移植による血管再生療法 虚血部位への血管幹細胞移植による血管再生療法
MESSAGE06 黒田 良祐 MESSAGE06 黒田 良祐

Profile

私は生まれも育ちも神戸で、中学高校時代は柔道、大学時代はラグビーをしており、いろんな怪我をして整形外科でお世話になりました。その影響もあり整形外科医になりました。スポーツ医学、運動器の再生医療を専門にしております。

黒田 良祐
神戸大学 医学部整形外科
診療科長 教授

骨と関節の再生医療

再生医療は細胞の自然治癒力などを活用して、治療が難しいとされていた病気を根本的に治癒しようとするものです。山中伸弥教授によるiPS細胞の開発以来、再生医療の実用化が加速しています。整形外科は脊椎、四肢関節など運動器を再建・再生する分野です。再生医療の基礎研究の発展とともに、関節や骨の再生治療が開発されています。運動器の完全再生を目指して、我々は難治性骨折や関節軟骨損傷などの現行の治療では治癒困難な疾患に対し、再生治療の臨床研究や医師主導治験を行っています。今回のシンポジウムでは、再生医療の実施例や最新の再生医療の話題をご紹介します。

難治性骨折治療 難治性骨折治療

神戸医療産業都市から、たくさんの医療の芽が生まれています!

MAP

TRI
臨床研究情報センター
http://www.tri-kobe.org

アカデミアで初めて整備された臨床研究のためのデータセンター・解析センターです。医療がみなさんのもとに届くには、臨床研究によってその治療やお薬の効果を客観的に検証する必要があります。TRIではこの臨床研究を通じて、医師や研究者からの医療研究の芽を実際の医療へつなぐ役割を担っています。

TRI

FBRI
先端医療振興財団
http://www.ibri-kobe.org

先端医療振興財団は、神戸医療産業都市の中核機関として2000年に設立されました。先端医療センター(IBRI)、クラスター推進センター(PCK)、細胞療法研究開発センター(RDC)、そして臨床研究情報センター(TRI)の4センターを中心に新しい医療の実現に向けて取り組んでいます。

FBRI

神戸医療産業都市
http://www.kobe-bic.org

先端医療振興財団をはじめ、理化学研究所や神戸大学といった研究機関・大学、計1,500床を超える高度専門病院群、世界最高性能を誇るスーパーコンピューター「京」、そして300社を超える医療関連企業等が集積しています。
神戸医療産業都市では、神戸の人々がいつでも最高水準の医療を最適に受けられるよう日々の研究開発に取り組んでおり、その経済効果は1,500億円にのぼります。

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