NCCNガイドラインコメント
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びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
この NCCN ガイドライン日本語版「非ホジキンリンパ腫」は、日本血液学会 造血器腫瘍ガイドライン作成委員会が監訳・監修した。

びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫は、本邦でも欧米同様に全悪性リンパ腫の約3〜4割を占める、非ホジキンリンパ腫の最多の病型である。病態に明らかな人種差はないため、海外のエビデンスも多く盛り込んだ日本血液学会編の「造血器腫瘍診療ガイドライン」と、本NCCNガイドラインの間に大きな差異はなく、概ね日常診療で利用可能である。
両者の違いとしては、まず推奨される薬剤がある。二次治療としてベンダムスチン、ブレンツキシマブ・ベドチン、オキザリプラチン、レナリドマイドなどが挙げられているが、本邦ではこれらの薬剤はびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫に対しては適応承認がない事には留意する必要がある。また、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫とグレーゾーンリンパ腫についての記述がある。造血器腫瘍診療ガイドラインではこの2つの病型については、別個で記載されていない。しかしNCCNガイドラインでもこれらの治療については議論のあるものであるとされており、内容をそのまま日常診療に適応するには慎重を要するが、大いに参考になるものである。

(文責:日本血液学会 造血器腫瘍診療ガイドライン作成委員会)
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