NCCNガイドラインコメント
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成人T細胞白血病/リンパ腫
この NCCN ガイドライン日本語版「非ホジキンリンパ腫」は、日本血液学会 造血器腫瘍ガイドライン作成委員会が監訳・監修した。

成人T細胞白血病・リンパ腫(adult T-cell leukemia-lymphoma; ATL)についての NCCNガイドラインは、2009年にJCOに掲載されたATL consensus meetingのレポート (日本を含む7か国からの研究者による)も参照して、診断・病型分類法と病型分類 による層別化した治療法選択、効果判定法などが詳述されている。ただ診断法、病型 分類などその記載の一部には誤謬があったので、監訳では修正するとともに、先端医 療振興財団よりNCCNへ適宜確認を行っていただいている。また米国では日本と比べて 本疾患が希少であることから、その診療実態と使用できる薬剤に差異があることには 注意を要する。日本の造血器診療ガイドライン2013年版で記載されている初発のアグ レッシブATLに対するmLSG15療法で用いられるVindesineとRanimustineと再発難治の ATLに対するMogamulizmabが米国では使用できないことなどから記載がないこと、欧 米では白血化したATLに対する標準治療みなされNCCNガイドラインにも記載がある IFN/AZT療法のエビデンスレベルは決して高くないので、日本のガイドラインでは未 だ標準治療ではないと位置づけていることなどがあげられる。

(文責:日本血液学会 造血器腫瘍診療ガイドライン作成委員会)
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