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◎骨髄異形成症候群 | ![]() |
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このNCCNガイドライン日本語版「骨髄異形成症候群」は、日本血液学会 造血器腫瘍ガイドライン作成委員会が監訳・監修した。 骨髄異形成症候群(MDS)は高齢者に多い造血器腫瘍の一つであり、造血不全から急性白血病化にわたって多様な病像を呈する。そのため臨床経過は症例ごとに大きく異なり、病型診断のみでの治療選択は困難である。NCCNガイドラインでも、本邦の造血器腫瘍ガイドラインにおいても予測される予後によってMDS例を「低リスク」と「高リスク」に分け、それぞれに対応するという大きな枠組みが取られている。NCCNガイドラインでは予後予測法としてIPSS(International Prognostic Scoring System)、WPSS(WHO classification-based Prognostic System)、改訂IPSSなどが挙げてあるが、これらは実臨床としては国内でも広く利用されているものであろう。これらを利用する際にWHO2001/2008/2016分類とFAB分類によるMDSの範囲が異なっている点に注意が必要である。WHO分類ではいわゆるRAEB-T(refractory anemia with excess blast in transformation)を急性骨髄性白血病として取り扱っている。また、CMML(chronic myelomonocytic leukemia)はMDSとは別のカテゴリー(Myelodysplastic/Myeloproliferative Neoplasms [MDS/MPN])で扱われている。そのためWPSSによる予後予測はRAEB-T、CMMLには対応していない。一方、IPSS、改定IPSSはFAB分類を念頭に作られているため、RAEB-T、CMMLにも適応可能である。NCCNガイドラインではWHO2016分類のde novo MDSに加えてRAEB-T、MDS/MPNが分類としてあげてあるが、治療法などのエビデンスはWHO2016分類、FAB分類でのMDSが対象となっている。また、小児MDSに対しては、予後スコアは対応していない。 |
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(文責 日本血液学会 造血器腫瘍ガイドライン委員会) | |
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